C35ローレルのタイヤ交換をした際に発見したタイロッドエンドブーツの破れを修理しました。ボールジョイントにガタは無かったので、ブーツのみの交換です。使用したブーツはメーカー純正ではなく、通販で購入できる大野ゴム製です。1個388円で左右分購入しました。
今回はYahooショップのモノタロウで購入です。この品番のタイロッドエンドブーツはC35ローレルの他、スカイライン、ステージア、シルビア、サニーなど多くの日産車が共通です。というか、他メーカーもサイズが合えば共通のようです。
タイロッドエンドのはずし方
ブーツ交換をするにはタイロッドエンドを外す必要があります。先ずはタイロッドエンドを固定しているナットに付いている緩み止めの割ピンをドライバーやペンチを使い真っ直ぐにします。真っ直ぐになったらハンマー等でくと割ピンが抜けると思います。本来割りピンはその都度新品に交換するのが望ましいのですが、今回はリサイクルします。
割りピンを抜いたら、ナット周り(ねじ山)を真鍮ブラシで軽く掃除し、潤滑油を塗布。17mm(19mmだったかも!?)のメガネで反時計回りに回すとナットが外せます。と、ここまでの作業は簡単~んなんですが、問題はここから!?
タイロッドエンドをハンマーで外す方法
タイロッドエンドはナックルにテーパーでガッチリ固定されているためナットを外しただけでは外れません。本来タイロッドエンドを外すにはタイロッドエンドプーラーという治具を使いますが、僕はそんなもの持っていませんw
その代用として、ねじ山に不要なホイールナットを1cmほど噛ませて、ハンマーで叩いて外します。タイロッドを固定しているナットを使用すると、ナットを潰す恐れがあるのでやめておいた方が無難です。C35ローレルのタイロッドエンドのナットはM12のピッチ1.25なのでホイールナットと同じなので、余っているホイールナットを使うとよいと思います。
ネジ山にかけたナットをハンマーで強めに叩くと、「スコ~ン」とタイロッドエンドが抜けてきます。
タイロッドエンドをハンマーで外す方法の動画です。
古いブーツのはずし方
ブーツはガッチリタイロッドエンドの根元に圧入されているため、簡単には外れません。根元以外のゴムをニッパやカッター等で取り除き、矢印のところを真上から貫通ドライバーで叩いてやると隙間ができます。隙間が出来たらマイナスドライバーで「グイグイ」こじることで割と簡単に外せます。
ブーツを外す作業からは、タイロッドエンドが平行になるような高さになる硬い台があるとよいと思います。ロッドからエンドを完全に取り外せばここで台を使う必要は無いですが、取り外すと後にアライメントの再調整が必要なので取り外さないで作業した方が後々楽かとおもいます。
ブーツを外したらもともと封入されていたグリスをしっかりウエスで掃除します。仮に残っているグリスが綺麗で、多く残っていてそのまま使えそうでもふき取ります。なぜなら、元々使用されていたグリスの種類が分からないので、新たにグリスを補充する際混ざるからです。種類の違うグリスを混ぜると、性質が変化し、本来の役割を果たせなくなる恐れがあるらしいです。
タイロッドエンドブーツに使用するグリスの種類
タイロッドのボールジョイント部にグリスをたっぷり塗るわけですが、ここで疑問が!?グリスはどれを使用すればよいのか!?代表的なグリスには、リチウムグリス、モリブデングリス、ウレアグリス、シリコングリスなどありますが、タイロッドにはどれを使用すればよいのか迷いますよね~。
各グリスの特長一覧
万能グリス(マルチパーパスグリス)と呼ばれ、耐熱性、耐水性に優れている。
モリブデングリス
モリブデン粒子が配合されているので、油分が無くなっても粒子が残る。熱が加わる(エキゾースト系)ボルトのかじり防止などに適す。耐圧性が高いが、耐水性が劣る傾向がある。
ウレアグリス
耐熱性、耐圧製、耐水性共にリチウムより優れているが値段が高め。
シリコングリス
シリコン配合で、樹脂やゴムパーツを侵食しにくいが耐久性が若干劣る。
主要グリスには上記のような特性がありますが、僕が持っているのは、リチウムグリス、モリブデングリス、ウレアグリスです。この中からリチウムグリスをチョイスしました!リチウムグリスはゴムや樹脂パーツを若干侵食するみたいですが、昔から使用していて問題ないのと、整備工場でもこのグリス使ってるようなのでリチウム使います。本当はウレアグリス使いたかったけど量が少なかったってのもありますw
※グリス選びについて参考にさせていただいたサイトlakehill-garage.com
実際問題グリスの細かい性質や種類を使い分けてる整備工場も少ないと思いますし、万能グリスのリチウムで大丈夫かと!ただ、ボールジョイントにモリブデングリスはご法度です。粒子がコンパウンドになり、ボールジョイントをすり減らし、ガタが出るかもしれないですからね!
ブーツの取り付け方
ブーツは本来タイロッドエンドブーツインストーラーという治具を使い、圧入しますが、僕はインストーラーを持っていません。
代用で有名なのがラチェットのコマですが、所持しているコマが30mmまでという事が判明。32mmだったらいけたかもしれませんが、30mmだと少し小さくて、ブーツを破損してしまいます。友達に借りれば済む話ですが、借りに行くのもだるい・・・そこで、圧倒的閃きが!!
ビニールテープの内側を使うことを閃きましたw径がほんの少しだけ小さかったので、ビニールテープの内側の紙の部分を何巻きか剥がしてサイズを合わせました。
ブーツにビニールテープをセットし、その上に30mmのラチェットを当て、その上からゴムハンマーで慎重に、均一に圧入するように叩く!!見事に圧入成功です。意外と使えますよビニールテープの内側。とはいってもインストールする為の治具は作業前にしっかり揃えるのが良いですね。インストーラーやラチェットのコマが無い場合、サイズが豊富なホームセンターの塩ビパイプもおすすめです。※昔塩ビパイプでインストールした事もあります。
ブーツ交換完了
ブーツの根元が隙間無くしっかり圧入されているのを確認したら、ナットを締め、割ピンを入れ、割ピンを起こして(曲げて)タイロッドエンドのブーツ交換は完了です!新品のブーツはやっぱ精神衛生上よろしいですね~!
整備工場でのタイロッドエンドブーツの交換工賃は、部品代込みで5千円~1万円位(左右)!?と聞いたことがありますが、DIYで済ませれば、部品代とグリス代くらいなので、1000円ちょいで済む感じでしょうか。やって見るとそんなに難しくもないので貧乏で暇な方は是非DIYでチャレンジしてみてくださいwあ、これ自分のことです。
コメント
コメント一覧 (5件)
車検前でコバックにボッタクリ見積もりをされて自分でやってみようという気になりました。
大変参考になりました。ありがとうございます。
Aofsuof様
参考になったようで幸いです!
こんにちは。
モリブデングリースの利用についてですが 私見を述べます
(突然にすみません)
ロワアームジョイントへのモリブデングリスの私用は問題ありません。
モリブデングリスは高速回転する部分には不向きですが(確かに削れる)
歯磨き粉くらいの柔らかさしかなく、高速回転をしない箇所=ロワアームのような、極圧性があり(荷重が強くかかる)、ゴム製のブーツへの膨張・劣化の悪影響はMPリチウムグリスよりも優れています。
よって モリブデングリスを指定しているメーカーも多く、
リチウムグリスよりも モリブデングリスの方が、結果ジョイントもブーツも長持ちします。
蛇足ですが、グリスのふき取りにはウエスで十分で、パーツクリーナなどはグリスを劣化させやすいです。
ブーツを取付後は外側に「クレ:ラバープロテクタント」を塗布しておくと、よりブーツは長持ち致します。
僭越ですが 私見を少々、、失敬致しました
(もちろん リチウムグリスでも次の車検までは十分に持つと思います)
同じく道具を持っていない私にも
とても参考になりました
おかげで重い腰を上げれそうです
ありがとうございます!
34さん
参考になったようで嬉しいです!