我が家のダイハツムーヴカスタム4WD(2003年式/L160S-GPSF/EFVEノンターボ3気筒/走行距離約129000km)にエンジンチェックランプ(警告灯)が点灯したので修理してみました。
エンジンチェックランプはある日エンジンを始動直後に点灯し、その後はずっと付きっぱなしの状況です。
運転していても体感ではパワー不足やエンジンが吹けないといった症状はなく、チェックランプ点灯前と何ら変わらない状態です。
こういった状態の場合、エンジンチェックランプ点灯の原因の大概はO2センサーの故障といわれていますが、結果はいかに!?
OBDⅡ診断機(コードリーダー)
エンジンチェックランプの原因を探るため、モノタロウのOBDⅡ(診断機)コードリーダーを用意しました。
車両のOBDⅡ標準ソケット(16ピン)に差し込むだけで、エンジンやミッションのPコード(パワートレイン系)の故障コードを読み取り表示、または消去することができます。
モノタロウコードリーダーM-T46 | |
---|---|
使用電圧 | DC12V専用 |
付属品 | 巾着、取説 |
適合 | 2002年以降製造の国産車各メーカー、トヨタ・ホンダ・ニッサン・スズキ・ダイハツ・ミツビシ・マツダ・スバルの他、アメリカ車、EOBD欧州車に対応(ただし稀に使用できない車種もあり) ※OBDⅡ・E-OBD・J-OBDの各規格に対応 |
本機寸法(mm) | 70×110×16 |
コード長(mm) | 550 |
ディスプレイサイズ | 2インチ |
使用環境温度(℃) | 0~50 |
定格作動電圧(V) | 12 |
言語表示 | 英語 |
定価(税別) | 9990円 |
診断機で原因を探る
この型式のムーヴのOBDⅡカプラーは下画像の赤丸で囲んだ部分、ステアリング下にありますので、キーオフの状態でコードリーダーを接続します。
接続すると、キーがオフの状態でもこのように電気が供給され液晶が表示されコードリーダーが起動します。
エンジンキーをオン(イグニッション)にします。絶対にエンジンをかけてはいけません。
取説に従ってコードリーダーを操作し、コードを読み取ります。言語は英語ですが、操作は至って簡単で、車両のメーカーを選択し、コードを読み取るだけとなります。
診断結果が出ました。Pコード「P0135」です。どうやらフロント側のO2センサーヒーター回路の不良のようです。やっぱり予想通りのO2センサーの故障ですね。
エンジン制御モジュール(ECM)がO2センサーヒーター回路をテストし、O2センサーヒーター回路の問題(故障)を検出したことを意味します。
新品O2センサーの価格と品番
故障個所が特定できましたので、新しいO2センサーを購入。今回は純正O2センサーを取り付けるのではなく、NTK製「品番OZA668-EE1」(NGKでおなじみ日本特殊陶業製)を使用します。
モノタロウで購入し、価格は税別4390円でした。こちらの製品は、ねじ山部にあらかじめ焼き付き防止剤が塗布されていますので、自分で焼き付き防止剤を準備しなくても大丈夫です!ちなみにamazonなどはさらに安い海外製の互換品が売られているようです。
純正品番:89465-97212
価格:5200円(税別)
O2センサーの交換
この型式のムーヴのフロント側O2センサー(触媒前)はボンネットを開けるとすぐにアクセスできるエキマニの上にあります。作業しやすい場所ですのでラッキーです。
O2センサーは熱がかかる場所故、ねじ山がかじって固着している可能性もありますので、浸透性の潤滑油を最初の段階でスプレーしておきました。
※注意この車両はボンネットを開けたところから見えるO2センサー(触媒前)の他に、車両下のエキマニ(触媒後)にもO2センサーが付いていますが、今回のケースだとこちらのO2センサーは関係ありません。
カプラーの取り外し
O2センサーのカプラーを取り外し、固定金具から配線も取り外します。
センサーの取り外し
O2センサーを取り外すには、配線が邪魔にならないように切欠きが付いた専用のソケットを使用します。今回使用しているものはモノタロウで購入したもので、価格は1390円(税別)でした。
S.E.K.(スエカゲツール) | |
---|---|
全長(mm) | 80 |
差込角(mm[inch]) | 9.5[3/8] |
二面幅(mm) | 22 |
適合メーカー | 日産、マツダ、ホンダ、ダイハツなどのほとんどの車両 |
定価(税別) | 1980円 |
O2センサー着脱の専用ソケットがない場合、22mmのメガネレンチでも代用可能なようです。ただし、カプラーがレンチの穴をくぐり抜ける事が可能なサイズの場合です。
O2センサーにソケットを差し込み、ラチェットやスピンナーハンドルで回してセンサーを取り外します。幸いにも固着などなく簡単に緩んでくれたので助かりました。
取り外したO2センサーはこのような感じで汚れが付着していました。製造元はデンソーのようです。
サーキットテスターにてO2センサーカプラーピンのヒーター系統の導通テストを行ったところ、導通無しでした。内部断線しているようです。
新品O2センサーの取り付け
O2センサーの取り付けは基本的に取り外しの逆手順となります。車両ねじ山部を掃除し、手で回せるところまでO2センサーを締め付けた後、工具を使用して増し締めします。
トルクレンチを所持している場合、45~55N・mの締め付けトルクで絞め込みます。今回私はトルクレンチを使用せず増し締め致しました。トルクレンチは所持しておりますが、なぜか!?倉庫から持ってくるのが面倒だったからという不純な動機です(笑)
チェックランプは消灯したのか?
O2センサーを取り付け後、エンジン始動して軽く試運転をしてみると、エンジンチェックランプはもう点灯することはなくなりましたね♪無事消灯!修理はうまくいったようです。
ECUの故障歴コードの消去作業
部品交換してエンジンチェックランプが消灯したら修理完了となってしまいがちですが、実はそうではありません!最後に診断機を使用してECUに記録されたO2センサーのエラーコードを消去しなくてはいけません。その作業をしないと、今度また同じところが壊れた際に判断ができなくなります。
エラーコードを消去したら試運転後にもう一度診断機を繋ぎ、エラーコードが出なければ全作業が完了となります。No fault codes stored(訳:故障コードはありません)
O2センサーの故障はムーヴの持病?
今回修理した型式のムーブのO2センサー故障は持病ともいえるほどポピュラーな故障個所らしいですが、O2センサーは高温にさらされるパーツ故、ムーヴに限らず様々なメーカー、車種でも結構多い故障らしいです。
O2センサーが壊れてエンジンチェックランプが点灯しても直ちに走行不能になるという事はなく、運転していても特に変化は感じられませんが、多少燃費が悪くなるなどの目に見えない不具合は起きるようです。
なによりチェックランプが点灯したままでは車検に合格できませんので、チェックランプが点灯したらクルマ屋さんに診てもらうようにしたほうが良いですね。診断機をお持ちの方は作業自体は簡単なので、DIY修理もありだと思います!
動画版
今回の記事の内容を5分にまとめた動画です。記事と合わせてこちらもご覧いただけらばより作業内容が分かりやすいと思いますので、ぜひご覧いただければと思います。
コメント
コメント一覧 (1件)
エラーコードの削除の時、tarn key on with engine off との英文が出ますが、
エンジン起動しないでキーオン とは、使用方法の②の「車両のキーをONにします」と同じで、キーレス車の場合ブレーキペダルを踏まないでプッシュボタンスタートスイッチに電子カードキーを触れるとメーター照明が点灯する状態にする事と同じでしょうか?