ワゴンR(ハイブリッドFX MH55S)のCVTフルードをDIYで交換してみました。作業の内容を簡単にまとめておきたいと思います。
作業する車両は新車購入後約6年経過、走行距離は36800kmで今まで一度もCVTフルードを交換していない状態です。
現在CVTに不具合、不調がある訳ではございませんが、出来るだけ長く乗り続けたいと思っていますので、予防整備をする感じです。
因みにこの型式のワゴンRの場合、メーカー指定でのCVT交換時期は記載されておらず、基本的にCVTフルードの交換は不要とされています。
CVTフルードを交換する際は全てが自己責任となりますのでご注意ください。
- 年式:2018年
- 型式:DAA-MH55S(1型)
- エンジン型式:R06A-WA05A
- トランスミッション:CVT(ジヤトコ製JF015E型)
- 駆動方式:FF(前2輪駆動)
- グレード:ハイブリッドFX(25周年記念車/衝突被害軽減ブレーキ付き)
- カラーコード:ZVC(スチールシルバーメタリック)
現状CVTフルード量の確認
今回CVTフルードを交換する前に、現状のフルード量を確認しておきました。
エンジン暖機後、近所を5~6キロほどドライブ。車を水平な場所に止め、アイドリング状態でセレクターレバーをPからLレンジまでゆっくりと一巡後、レベルゲージでCVTフルード量を確認。
ゲージ位置はHレベルのアッパー付近でした。
サービスマニュアルによるCVTフルード点検方法
スズキのサービスマニュアルによるCVTフルード点検方法は以下の通りとなります。
- イグニッションをオフにし、DLC(データリンクコネクタ)にSUZUKI SDT-2(診断機)を接続
- 実走行(目安として市街地5km以上)してSUZUKI SDT-2データリストにより「CVT油温」のパラメータが70~80℃になるまで暖機する※Pレンジ又はNレンジで空ぶかししてもCVT油温は上昇しない。
- 車両を水平な場所に止めてアイドリング状態にする
- パーキングブレーキとフットブレーキを作動させたまま「P→R→N→D→L→D→N→R→P」とゆっくり一巡させる※ターボ車はLのところがMになっていますが、やり方は同じ
- アイドル状態のままレベルゲージを抜き取り、ペーパーウエスなどでCVTフルードを拭き取った後、再度挿入してCVTフルードがレベルゲージの「HOT」レベルの範囲にあるのか点検する
レベルゲージの表裏でCVTフルードのレベルが異なる際は、低い側をCVTフルードレベルとする。
一般家人で診断ツールなどを持っている方は稀だと思いますので、CVTフルードの油温を可視化するのは難しいでしょう。
DIYで気を付ける点としては、CVTフルードのレベルを測るときは、図る前にしっかりと実走行してCVTフルードの油温を上げておくという事を覚えておけばOKかと思います。
CVTフルードフィルターの交換
ワゴンR MH55SのCVTフルードフィルターは助手席側のフロントタイヤのカバーところにあります。カバーは6カ所のクリップで固定されていますので、取り外します。ハンドルを左いっぱいに切れば、タイヤは付けたままでも作業可能です。
オイルパンドレン(19mmサイズ)からCVTフルードを抜けるだけ抜きます。抜けたCVTフルードは計量できるように大きい廃油受け皿を用意して溢れないようにしました。排出されたフルード自体は透明感のある飴色でした。
フィルターケースボルト(10mmサイズ)を取り外し、CVTフルードフィルターを抜き取ります。フィルターケースはウォーターポンププライヤーなどで反時計回りに回し、ロックのツメをかわさないと外れませんので注意が必要です。
フィルターケース、フィルターを外すとフルードが少量零れてきますので零さないように受け皿を用意しておくと良いです。
新旧フィルター比較、36800km走行したフィルターはそこそこ汚れていました。これが10万キロ無交換とかだとかなり凄そうですね。CVTフィルターはワゴンRと同型のジャトコミッションを使用している日産純正の物を代用します。
CVTフルードフィルターのカップ部のOリングは新品に交換しました。こちらも日産純正部品を使用。ここのOリングは再使用不可指定。
CVTフルードフィルターパッキン部にCVTフルードを塗布してヌルット差し込み装着。
フィルターのカップ部のOリングにCVTフルードを塗布して装着、ボルト固定。ボルト締付トルクは7.0N・m。
CVTフルードストレーナーの交換
CVTオイルパンのボルト(10mmサイズ)を前後1本ずつ残し、取り外します。残ったボルトを少しづつ緩め、オイルパンの隙間からフルードを排出させます。
フルードが排出されたらオイルパンを取り外します。意外と中も綺麗な状態ですね。
こちらはオイルパン内側、思っていたよりも綺麗です。
マグネットには鉄粉が付いているものの、ネットで散見されるような酷い状態ではないです。乗り方が良いんですかね。
オイルパンとマグネットは綺麗に洗浄しておきました。
CVTフルードストレーナー取付ボルト(10mmサイズ)3本を取り外し、ストレーナーを取り外します。
ストレーナー差し込み部分にはOリングが付いています。車両側に残ってしまうケースもありますので要確認です。
ストレーナー本体は黒ずみ汚れがあるものの、内部のステンメッシュの汚れは少ない感じで、パーツクリーナーで洗浄してリサイクルしても良かったかも知れません。今回は新品購入済みですので新品を使用することにします。
新旧のストレーナー比較画像↓新品ストレーナーは日産純正品を使用します(差し込み部Oリング標準付属)。
CVTオイルパンのパッキン面を丁寧に掃除、バリや傷がある場合はオイルストーンで処理します。
新品ストレーナーのOリング部分にCVTオイルを塗布し、ストレーナー差し込み、ボルトで固定します。ボルト締付トルクは7.9N・mです。
CVTオイルパンに新品ガスケットをセットします。ガスケットはスズキ純正品を使用します。こちらのガスケットも再使用不可指定されています。
オイルパン固定ボルトはガスケット及びオイルパン接地面が歪まないように、均等に締め付けます。ボルト締付トルクは7.9N・mです。
ドレンプラグのパッキンも新品に交換しました。こちらはスズキ純正を使用。ボルト締付トルクは34N・mです。
CVTフルードの充填
作業時排出されたCVTフルードを出来る限り回収して計量してみると、全部で3.8ℓほどでした。(2ℓのジョッキ1杯+1.8ℓ)
排出されたCVTフルードの色は褐色系。スズキ純正はグリーンカラーのCVTフルードのはずなんですが、新車製造充填時は褐色系のものを使用するんですかね。
スズキ純正のCVTFグリーン2を排出量と同量の3.8ℓ充填します。漏斗の先の細いノズルはSTRAIGHT(ストレート)製の細口延長ノズルです。
零さないように慎重に充填。念のため漏斗内にはモノタロウの濾過紙をセットしました。
CVTフルードを充填したらレベルゲージを差し込み、オイルパン、フィルター部分などのオイル漏れを点検しておきます。
CVTフルード量の点検
エンジン暖機後、セレクターレバーをP~Lレンジまでゆっくりと一巡。一旦レベルゲージで量を点検してみると、Hの中間ぐらいでした。
5~6キロドライブ後、シフトゲージ一巡させてゲージを見てみると、Hのアッパー付近でしたので、量は今後も観察しつつ、今回はこれでOKとしました。
本来であれば、何度も排出と充填を繰り返し、フルードが綺麗になるまで循環させればよいのでしょうが、今回は抜いた分を入れ直して終わりという作業内容としました。
CVTフルード交換後の効果
CVTフルード交換後、一般道、高速道を数百キロ試運転してみました。
結果としては、何となく交換前よりもスムーズに速度が乗るというか、アクセルレスポンスが良くなった感じがします。
動力がしっかり伝わっている感がありますね~!気のせいかもしれませんが、燃費もわずかに向上しているような!?
交換前のCVTフルードがそれほど汚れていなかったので、ただ単にプラセボ効果なのか分かりませんが、物理的にCVTフルードを半分以上新しい物に入れ替えているわけですから、何らかのプラス要因があっても不思議ではないと思います!
以上、今回はMH55ワゴンRのCVTフルードを交換してみました。同型のワゴンRや同型のジャトコ製CVT搭載のお車にお乗りの方は参考になれば幸いです。
今回使用した部品や各種ボルトの締付トルクは↓でまとめていますので合わせてご覧ください。
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