フロアジャッキを使用してワゴンRハイブリッドFX(MH55S/2WD)のタイヤ交換をしてみました。
交換時に必要な情報であるジャッキポイントやホイールナット締め付けトルク、タイヤ空気圧などを備忘録としてまとめておきたいと思います。
一般人において、通常タイヤ交換は年に数回しか行わないものなので、これらの情報は忘れがちです。そんなときこの記事が何らかのお役に立てれば嬉しいです!
因みにこれらの情報は取扱説明書にも記載されておりますが、今の時代、取扱説明書を取り出して開くは少ないですよね。スマホで検索する方のが多いと思います。ですのでブログにまとめてみました!
今回タイヤ交換を行った車両の型式はMH55Sですが、MH35S/MH85S/MH95Sにも対応する情報かと思われます。同型式、同年代の車にお乗りの方は参考にして頂ければと思います。※ワゴンRスティングレー含む
- 年式:2018年
- 型式:DAA-MH55S(1型)
- エンジン型式:R06A-WA05A
- トランスミッション:CVT(ジヤトコ製JF015E型)
- 駆動方式:FF(前2輪駆動)
- グレード:ハイブリッドFX(25周年記念車/衝突被害軽減ブレーキ付き)
- カラーコード:ZVC(スチールシルバーメタリック)
ジャッキアップポイント
ジャッキアップポイントはフロアジャッキ(ガレージジャッキ)を使用する場合と、車載のパンタジャッキを使用する場合とで、位置が異なります。
今回ご紹介するジャッキアップポイントはフロアジャッキを使用する場合の位置となりますので、お間違え無いようご注意ください。
ジャッキアップポイントを間違うと、安全な作業が出来ない上、場所によっては車両が損傷する場合もあります。
フロントジャッキアップポイント
フロントのジャッキアップポイントはメンバーの中央付近、トルクロッド締め付けボルトがあるところとなります。(2WD/4WD共通)
拡大画像をみると分かりやすいと思います。
実際にジャッキアップした画像です。
リヤジャッキアップポイント
リヤのジャッキアップポイントは後方から見て右側、マフラー出口付近にあるU字フックです。
拡大画像。
実際にジャッキアップした様子。
4WD車の場合は、U字フック以外のデフ中央(アクスルハウジング)でもOKです。↓画像はダイハツハイゼットのデフですが、ワゴンRの4WD車にも同じような形状のデフが付いています。
U字フックは車両の高い位置にあり、リフト量が少ないフロアジャッキの場合タイヤが上がりきらない事があります。
お持ちのジャッキのリフト量が足りない場合、面倒ですが車載ジャッキを使用するのが賢明かと思います。
車載ジャッキはトランクフロアに収納されています。
リジットラック(ウマ)支持位置
フロアジャッキでジャッキアップ後は基本的にリジットラック(ウマ)で車体を支持します。
ウマの設置個所は、車両に損傷を与えず、しっかりと支持できる場所であれば基本的にどこでも良いかと思いますが、今回は取扱説明書に記載されている位置をご紹介いたします。
フロントリジットラック(ウマ)支持位置
フロントのリジットラック(ウマ)設置個所はサイドシル前方、切欠きがあるところ(左右共)となります。車載パンタジャッキの支持位置と共通です。
拡大画像。
リヤリジットラック(ウマ)支持位置
リヤのリジットラック(ウマ)設置個所はサイドシル後方、切欠きがあるところ(左右共)となります。車載パンタジャッキの支持位置と共通です。
拡大画像。
リジットラック(ウマ)上部のパッドは凹溝無しのもの、または浅い凹溝のものが推奨されています。
凹溝が深すぎるパッドだと凹溝がボディに干渉して損傷する恐れがあるからです。
止むなく深い凹溝のパッドを使用する際は、向きを変え、支持位置が凹溝に入らないようにします。
ホイールナット規定締め付けトルク
ホイールナット締め付けトルクは4輪とも85N・m(870kgf・cm)です。全グレード共通となります。
今回使用するトネのトルクレンチはこちらです↓↓
ハブボルトに錆止めは必要か?
タイヤ交換をした際、ホイールナット又はハブボルトに錆止めやカジリ止め剤を塗る派、塗らな派に分かれますが、いったいどちらが良いのか?
結論としては何も塗らなくて大丈夫です。
ソースはワゴンRのサービスマニュアルで、マニュアルには次のように記載されています。
ホイールを取り付ける際はホイールナットおよびハブボルトネジ部の異物、錆を除去し、油脂類が付着している場合は脱脂する。
むしろ脱脂してくださいとの事です。防錆油を塗布などの指示はありませんでした。
2トン以上クラスのトラックなどではタイヤ交換の際、ホイールナットやハブボルトにエンジンオイルを塗布するように指示されているものもありますが、乗用車クラスの細いスタッドボルトの場合だと何も塗らなくてOKなんでしょうね。
ワゴンRタイヤ適正空気圧
2020年12月現在、ワゴンR(スティングレー含む)MH35S/MH55S/MH85S/MH95S型に純正採用されているタイヤサイズは2種類で、適正空気圧は全型共通、前後240kPaとなっているようです。
※別売りの応急用タイヤ(T125/70D14)の空気圧は420kPaとなっています。
ホイールサイズ | P.C.D(mm) | ホイールインセット(mm) | タイヤサイズ | 空気圧(kPa) |
---|---|---|---|---|
14×4 1/2 | 100 | インセット+45 | 155/65R14 75S | 前後240 |
15×4 1/2 | 100 | インセット+45 | 165/55R15 75V | 前後240 |
タイヤの適正空気圧は運転席側ドアの開口部にも記載されております。装着しているタイヤサイズに合わせて適切に空気を充填しましょう。
因みにこちらは私が所持しているマキタコードレス空気入れMP180DZというもの。コードレス&エアゲージ機能付きなので、いつでもどこでも手軽に使用できるのでおすすめです!
充填スピードはエアコンプレッサーには劣るものの、タイヤ交換時の空気の継ぎ足しなんかは数十秒で完了しますよ♪バッテリーの持ちもかなり良いです!
タイヤ交換作業
ここからは実際にタイヤ交換作業した際の様子となります。
前輪と後輪でジャッキアップポイントは異なるものの、基本的なタイヤ交換作業の方法は同じとなります。
今回使用したアルカン3tジャッキ↓↓
フロント
セレクトレバーをPの状態でエンジンを止めパーキングブレーキをかけます。(MT車はR又は1速に入れる)
後輪に輪止めを置きます。
車載のホイールレンチ等でホイールナット4つを反時計回りに約180°(半回転)回して緩めます。※インパクトレンチを使用する場合はジャッキアップ後でも緩める事が出来ます。
指定ジャッキポイントにジャッキをかけてジャッキアップします。
リジットラック(ウマ)を指定支持位置に置きます。ジャッキダウンし、リジットラックにかけ替えます。
3本のナットを取り外します。
ホイールを落下させないようにホイールおよびタイヤを支えながら残り1本のナットを取りし、ホイールを取り外す。
ホイールを外した様子。
ホイールを付け替え、ナット4本を座面に当たるまで時計回りに手締めします。
ジャッキアップして車体下に置いたリジットラック(ウマ)を取り出します。その後ジャッキダウンします。
トルクレンチを使用し、ホイールナットを規定トルクで対角(↑画像の順番)に締め付けます。(規定締め付けトルクは85N・m(870kgf・cm))
●ホイールのブレーキディスク/ドラムとの接触面及びブレーキディスク/ドラムにホイールとの接触面に異物や錆が付着していないか確認。付着物がある場合は取り除く。
●ホイールナットのテーパー部、及びホイールのナット座面に亀裂や潰れ、段付きが無いことを確認。不具合があれば修理、修正が必要。
●ホイールナット及びハブボルトネジ部の異物や錆を除去します。油脂類が付着している場合は脱脂します。
●ホイールナットをホイール座面まで手で仮締めしてみて、引っ掛かりがある場合、又は座面まで手で回すことができない場合は、ホイールナット又はハブボルトの交換をする。
リヤ
ジャッキアップポイントが異なるだけで、リヤのタイヤ交換もフロントのタイヤ交換と同じやり方となります。
ジャッキアップしてウマを置きます。
ホイールを取り外す。
取り付け時の注意事項を確認し、タイヤを取り付けます。ジャッキダウン後トルクレンチで締め付けてタイヤ交換作業完了。
まとめ
という事で今回はワゴンRのタイヤ交換時に必要な情報をまとめてみました。
同型のワゴンRをお乗りの方でフロアジャッキを使用してタイヤ交換をしようとしている方に少しでもお役に立てる情報があれば幸いです。
最後に注意点を一つ。
DIYでのタイヤ交換は決して悪い事ではありませんが、やはりある程度の自動車整備知識、工具や道具の知識は必要です。
実践経験値とネット等で得た机上の知識は別物です。
クルマいじりなどを一切したことのない人が何も知らずに「ネットで見たから大丈夫」と言ってに適当に作業した場合は重大な事故に繋がる恐れがあります。
自分でタイヤ交換をする際、少しでも不安な要素がある場合は一度プロの方にやり方を教わった上で作業をした方が安全かと思います。
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